Celestial Maiden's Tear







…あ、終わったみたい。よし、じゃあ帰r



「きゃあああああああああああ!!!!!」



『…ッ』



煩い…。



不良だからと言って男だらけじゃない。ちゃんと女もいる(むしろ女子いなかったらここに来てない)。もちろん族に入ってたり不良だったり。三分の一は女子だ。



壇上をよく見ると、色んな色をした男子が10人並んでいた。



「俺らはお前らのトップだ。よく見とけよ!」



一人の男が言った。その途端、



「きゃああああああああ!!!!!」



「うおおおおおおおおお!!!!!」



この会場は思い思いの叫びで広がった。



…近所迷惑極まりない。あー…帰りたい。



























「…以上。これで終わりにする。」



ガタガタガタ



「起ー立。礼。」



…終わった。入学式なのに長い。この先、この生活に慣れるとはいえ…少し無理があるのだろうか…。



「おい」



そう言えばシロとクロのご飯の買い出ししなきゃな。



「おいお前。」



あ、あとロッカーどこにあるか探さないと。



「おいお前!聞いてんのか!」



…さっきから大声出して…なんだろ。早く答えればいいのに。



「お前だよ!その青い目!」



『…私…?』



「そうだよ!!!」



私か…早く答えればいいのにって思ったけど私のこと言っていたのか…



『何…?』



「お前、俺らの姫になれ。」



シーン



その場の空気がいきなり氷点下になった。



『…なんで?』



「顔が良いから。あと珍しい目。」



『嫌。』



「なんでだよ!」



『あなたのこと、知らない。』



「は!?お前俺らのこと知らねぇのかよ!餓狼だぜ?No.2の!」



『…興味無い。』



「テメェ…ッ!」



『可愛い子なら誰でもいいんでしょ…?だったら私じゃなくてもいい…。』



「…ッ」



『目なら別に珍しくないじゃない…カラコン、使えば…』



「テメェ…俺が下手に出たからって調子こいてんじゃねぇぞ!」



『…下手に出た…?どこg…ッぐ…』



私は首を絞められていた。悲鳴は起きない。周りは私を無視する、空気のように。



思いっきり締められてるから、首に痣が出来るんだろうな。限界まで苦しくなったら、蹴ればいい。



思いっきり。



ガンッ



鈍い音と同時に締めていた手が勢いよく離れる。



私が蹴ったんじゃない、誰かが殴ったんだ。



『…ッケホ…ケホ…』



「…ッ痛ってぇな…!…ッお、お前は…!」



「…。」



「ああ、やーっと見つけた、キング。いきなり消えるの辞めといてーな。俺ら探すの大変やからな?」



「…悪りぃ…。オイ、大丈夫か。」



『…コクコク』



私はお辞儀して、さっさと帰った。あそこにいると、何となく目立つと思うから(既に目立っていた)。




助けてくれたさっきの男は、入学式に壇上にいた、黒髪の男子だった。










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