【完】麗人、月の姫
大体書いてることは蓮さんに聞いた話だったから、特に得られる情報はなし…………か。
あれ?そういえば麗人はここで、陰人は麗人の住む場所の真反対側でしょ?陽人は一体どこに住んでるんだろう?
日の光なしじゃ生きにくそうだし、そうなると太陽の近くかな?
「まだ起きているのか?」
この声は蓮さんだ。
私の部屋がまだ電気ついてたから、気になって来てくれたのだろう。
この場所は朝昼は明るいけど、夜はとても暗くなる。逆に陰人の住む場所は朝昼は暗いが、夜は明るくなっている為、向こうにとっては、この暗い今が狙い時。
だから、この時間は外の警備で忙しい………………らしい。
「もうすぐ寝ます。すいません」
「そうか。ゆっくり休めよ。おやすみ」
「はい。おやすみなさい」
蓮さんは透真くんみたいに絡みづらい感じだったけど、案外心配してくれるような優しいとこもあるんだ…。
まぁ、姫だからってのもあるかもしれないけど……(苦笑)
これから徐々にみんなのこと、知れたらいいなぁ……………。
電気を消して目を閉じると、不思議にスッと眠りにつくことが出来た。