【完】麗人、月の姫

悲しくなる夜









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お風呂に入り身体が温まったせいか、スゴく眠い……………。


そう思った私は寝るには少し早いが、使用人が準備してくれた布団の中へ入ることにした。


スゴくふかふかで、心地がいい…………。


ウトウトしながら今日のことを思い出すと、本当にたくさんの事があったなって思う。

早すぎる城の復元や、町のこと。

そして、蓮さんのお母さんや透真くんのこと。



まさか透真くんからプレゼン卜されるなんて思っても見なかったなぁ………。


しかもあんな事を言ってくれただなんて。


学校のときの透真くんじゃ考えもしなかった。


………そう。学校の…………………………学校……………。


私がいなくなった今、学校はどんな感じなんだろう。

行方不明とかになっているんだろうか?


独りの夜って色々と考えてしまう。


しかも余計なことばかり。

部屋の机の上に大事に置いている紗綾から貰ったネックレスを見るたび切なくなって……………どうしようもない気持ちになる。


会いたい……………………けど、会えない。


もう紗綾はいないから。


さよならも言えなかった。

お母さんだって…………約束を破ってごめんなさいも言えてない。

後悔でしかないよ。


だからなのかな?

スゴく涙が出る。

止まらない日がある。



「紗綾…………っ……お母さん………っ……………」


でも、私は姫だ。

例え幼くともここに来たからにはしっかりしなくちゃいけない。

もう、あんな事が起こってほしくないから。

あのときの私みたいな思いをさせたくないから。


「………………………涙って……自分の意志とは関係なくでるよね………」

止めたくても止められない。


「姫様?」

え!?

見回りに来ても遠くからって感じだったから油断してた…………まさか、人が来るなんて。

電気つけてないし、寝たことにしようかな?

泣き声だって部屋の外には漏れてなかったと思うし。


「……………………………」

「姫様、失礼致します」

え!!!!

入ってきたよ!!!!!

なんで!?


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