ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

余命宣告

「え…………」

口から、その一文字だけがこぼれる。

頭の中は、混乱して、よくわからないけど、涙が溢れてくる。





久翔先生に呼び出されて、談話室へ向かうと、そこには、先に楓摩が来ていた。

…その時点で、私は、軽く察しがついていた。

……だけど、思っていたのと違ったのは、その後。

"脳に転移が見られる"

久翔先生が放った言葉に、私は唖然とした。

隣では、楓摩も俯いて、苦しそうな表情をしている。

楓摩は、私の手をキュッと握ってくれた。

「え…………、て……んい…?」

「うん。…………残念だけど、この前の検査で、朱鳥ちゃんの脳に、白血病のがん細胞が移ってるのがわかった。…抗がん剤も……効いてない…」

久翔先生は、重々しくそう言う。

でも、私の頭には、全然入ってこなく

"転移"

"死"

という言葉だけが、グルグルと頭を回った。

…………私、死ぬんだ…

そう改めて考えさせられて

何粒もの涙を。私はこぼした。
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