ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
"絶望"の感情のまま、病室に帰ってきた。

楓摩は、私を抱きしめたまま離さず、そのままベッドに座る。

きっと、楓摩も泣いている……

私には、その事が、すぐにわかった。

「…ごめんね…………楓摩……」

私は、そうポツリと呟いた。

すると、楓摩は、私の目を涙目で見つめ

「朱鳥」

と呟いて、もう一度、私を抱きしめた。

胸が苦しい。

自分が死んじゃう事実も、楓摩を泣かせている事も、葉月と柚月を残したまま逝ってしまう事も

全て、全部が私の胸を締め付けた。

キュッと胸が痛くなって、無意識に涙が溢れた。

"なんで"

その思いは、ずっと消えなかった。
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