ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
数分して、前苑が目を覚ました。

けど、明らかに様子がおかしい。

「前苑、大丈夫k「やめてっ!!!」

俺が、前苑に声をかけ触れようとすると、前苑に手を払われた。

「…あ………………ご、ごめんなさい……っ」

そう言うと、前苑は布団の中にすっぽりと入ってしまった。

さっき一瞬見えた、前苑の表情。

それは、明らかに怯えを表していた。

布団の中から微かに聞こえる泣き声。

そして、布団の上からもわかるほどの震え。

……清水先生から、悪夢のことは多少聞いていたけど、ここまで酷いのは聞いていない。

とりあえず、前苑を落ち着かせるために、俺はもう一度前苑に声をかけた。

「前苑、前苑。大丈夫か?怖い夢でも見たのか?」

コクン

前苑はそう頷いたあと、聞こえるか聞こえないかの声で

「……ご…めん……ね。…ちょっと…………涙と震えが……止まらなくて…。落ち着いたら、布団から……出るから…」

「そっか。……辛いと思うけど、頑張れ。」

そう言って、布団の上からぽんぽんとしてやると、前苑は少しビクッとしたけど、すぐにコクンと頷いてくれた。
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