ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「……すか、朱鳥」

眠い目を擦って目を開けると、そこには多分、帰ってきたばっかりであろうスーツ姿の楓摩。

どうやら、いつの間にか私はソファで眠ってしまっていたみたい。

「あ、楓摩、おかえり。お仕事、お疲れさま。」

そう言うと、楓摩は私の頭をポンポンと撫でてくれる。

「ただいま。ごめんね、遅くなっちゃって。まだ、病み上がりだから大変だろうに、家事もありがとね。こんな所で寝てたら風邪ひくから、ベッドで寝な。」

そう言ってくれる楓摩は、やっぱり、優しくて、久しぶりのこの感じが嬉しい。

私を気遣ってくれるのも、本当に嬉しいな。

「うん。ありがと。」

だから私は、素直に楓摩の言葉に甘えて、もう寝ることにした。

「おやすみ、楓摩」

楓摩にギュッってすると、楓摩もギューッてしてくれた。

「おやすみ、朱鳥」

私は、今日も幸せな気持ちで眠ることが出来た。
< 227 / 418 >

この作品をシェア

pagetop