ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
恐怖

苦しみ

痛さ

この3つが頭の中を支配する。

ただただ人が怖くて、信用できない

今まで、順調に回復してきたはずなのに、また振り出しに戻ってしまう。

楓摩しか、信じられない…

それ以外の人は……大人は、恐怖の対象。

女の看護師さんまでも、怖い。



また、痛みを与えられるんじゃないか

また、苦しい思いをさせられるんじゃないか

また、あの恐怖しかない時間を与えられるんじゃないか



頭で"そんなことない"って否定しても、体は反応しちゃう。

検温や、朝の回診でも、気がつけば過呼吸になって、涙で周りが見えなくなっている。



また、沢山殴られて蹴られるかもしれない

また、首を絞められるかもしれない

また、ナイフで何度も刺されるかもしれない



私にとって、楓摩以外の大人は、そう見えていた。

楓摩のおかげで取り戻せた大人への信用

それも全て消えてしまった

だって、やっぱり大人は怖かったから

大人は酷い存在だったから

思い出さないようにしていたのに、またこの前の夜のことを思い出してしまう。
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