ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「んー!!…はぁっ……はぁっ……」

次第に強くなっていく陣痛。

車の中で破水し、病院について、診てもらった所、子宮口はかなり開いてきているらしく、すぐに分娩室に入れてもらった。

「朱鳥、頑張れー」

楓摩は背中を摩ってくれたり、沢山励ましてくれる。

「んんーーー!!んぁっ!!」

陣痛の間隔も狭くなってきて、痛む時間も長くなっている。

もうすぐ…もうすぐ会えるんだ……

「前苑さん!!頭見えてきたよ!!頑張れー!!」

助産師さんにそう言われ、涙目で頷く。

「んんーーー!!」

「楽にしてね~、私たちが合図するから、そしたらいきんでね!」

「朱鳥…朱鳥」

楓摩はさっきから、それしか言っていない(苦笑)

でも、そばにいてくれるだけで、頼もしい。

「次の陣痛でいきむよー!」

「はぁっ…はぁっ……っんんーーー!!」

「はい!いきんでー!!!」

「んんんーーー!!」



















「オギャーオギャー」

「っはぁっ…はぁっ……あ…産まれた……」

分娩室に元気な声が響く。

私は、目に貯めていた涙を流し、微笑んだ。

「おめでとうございます。可愛い女の子ですよ~」

そう言って助産師さんが私に赤ちゃんを抱っこさせてくれる。

これが、一人目…葉月の誕生だった。
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