ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

内心

"離婚しよう"

楓摩は、たくさん謝ってくれたけど……

やっぱり、一瞬でも、私と別れたいって思っちゃったんだよね……

楓摩は、私のせいじゃないって言う

だけど、やっぱりこれは、私が弱いから引き起こした問題。

強く……

強くならなきゃ……

じゃなきゃ、本当に楓摩に捨てられちゃう…

それだけは……嫌だ…………

今は、大好きって言ってくれてるけど、いつか、私をめんどくさいって思う日が来るんじゃないの……?

………………………………あ、私最低だ。

楓摩は"絶対"って約束してくれたけど、心の中では、まだそれを信じきれていない自分がいる。

大好きな相手の事さえ信じてあげられないなんて、私、どうかしてるよね……

やっぱり、私は弱くて、最低で………………



















「……すか、朱鳥。おはよ。」

ぱちっと目を覚ますと、そこには笑顔の楓摩。

私は、それを見た途端自然と涙が溢れた。

最近、泣いてばっかり。

それに、楓摩の顔を見ると、甘えたくなっちゃうよ……

そんな、私の心の不安を読み取ったのか、楓摩は私にギューッと抱きついてきた。

「おはよ。朱鳥。」

そう言って、顔をスリスリしてくれる。

私よりもいくつも年上の人がそうしてる。

そう思うと、自然と笑いがこぼれた。

「ふふっ、おはよ、楓摩。」

さっきまでの、嫌な夢も不安な気持ちも忘れて、私は楓摩にギューッと抱きついた。

楓摩の匂いがする。

やっぱり、楓摩は安心する。

1人だと、嫌なことばっかり考えちゃうけど、楓摩がいると、ものすごく幸せな気持ちになれた。
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