TONE ~シークレットライブ~
 女の子の二人連れではあったのだけど・・・

 その片方に見覚えがあった。

「あ! ユウのバイオリンの彼女!?」

 思わず言ってしまった声に、店内の皆が振り返る。

 あ、マズイ。

 思わず口を塞いだけど出てしまった声は戻らない。

 ちょっとした騒ぎの中、あわてて店を出ることになってしまった。

「ごめんなさい」

 店に入る邪魔をしてしまった彼女にそっと謝る。

 気にしないで、と彼女は笑顔を見せる。
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