TONE ~シークレットライブ~
 あ、でも、「ユウの彼女」の部分は否定はしないんだ。

 そして。

「バイオリン、入賞おめでとうございます。すごくよかったです!」

 その言葉に驚いた表情をした彼女だけど、

「ありがとう」

 謙遜しない素直な笑顔に、同性ながらかわいいなと思ってしまった。

 自分であることに誇りを持っている表情。

 カッコイイよね。

「何? どういうこと?」

「内緒ー」

 友達は不思議がったけど、これは私だけの秘密なのだ。

 いつになくスッキリとしたイイ気分で帰路につく。

 今までとは何かが違う、新しい夏が、はじまる、

 いや、始めるのだ。

                    【END】
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