【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
"また今度な"
流のその言葉を聞いて山崎君は膝から崩れ落ちて泣いていた。
流を刺した罪悪感と流の器に、山崎君は自分のした事を悔やんだんだと思う...。
山崎君が反省したところで
流の傷が治るわけでもないのに。
「なんで許したの?」
倉庫の裏に置いてある流のバイクに跨りながら聞いてみた。
エンジン音をわざと大きく鳴らして聞こえないふりする流はほんと...カッコイイんだから。
聞かなくても...知ってるんだからね。
「本当は、もうとっくに許してたんでしょ?山崎君のこと。」
「...」
「流も...自分が総長だって打ち明けて。
圭のこと慕ってた人達が辞めてくの見て、罪悪感感じてたんでしょ...?」
「...」
「バカだなー流は。やっぱり大バカ。
最初っから自分が総長だって公表しとけばよかったのに」
「...だから俺は暴走族に興味ねーつーの。
圭に頼まれたから仕方なく総長やってるだけだ、ばかムギ」
「...」