【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー




男の世界ってよく分かんないし分かりたくないけど。


流と圭の関係が少しだけ羨ましい。



お互い信頼し合ってるし

圭は女を裏切っても流のことは絶対裏切らない...そんな感じがする。



「神庭...ごめん...!!」



完全に開いたシャッター。

倉庫から出ようと一歩足を動かすと、前からは冷えた風、後ろからは山崎君の震えた声。



許す?許さない??


チラッと背の高い流を、下から覗くように見る。

どう頑張ったって流の身長には勝てないから上目遣いになっちゃうけど。



流は笑っていた


口角を上げながら、面白おかしそうに後ろを振り向く。



「言ったろ?山崎。
お前の処分は圭がする」


「...」


「許すも許さないも全部圭が決める」


「...でも俺は、あんたを刺して...」


「...俺が総長だと知って、文句言いながら夜季を辞めていく奴は多かったけど、結局何もせずに辞めるだけで終わってったアイツらよりは、感情をぶつけてきたお前の方が...偉いと思うぜ?」


「...」



「そのくらい、圭を慕ってたってことだろ?
お前は最後まで圭を総長だと認めた自分を貫いた、それってすげえーことじゃねーの?」



「...かんば...」


「だが、ここにムギと一緒に来たことだけは許さねーからな!!
ほいじゃああんま喋って時間無駄遣いすっとムギ様怒るから、また"今度"な」




< 162 / 390 >

この作品をシェア

pagetop