【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
それから1週間ほど経った頃
「「あっ」」
偶然、バッタリと廊下で優美と会った。
「ひっ、久しぶりだね」
「あっ、うん、そうだね」
...なんか気まずい。
うん、いや、あの日以来話してないから
何喋っていいか分かんないし。
優美も照れて言葉が出ないのか、口をモゴモゴさせていた。
「...どう?最近調子は?」
「あっ...うん、前よりはいいかな...」
「そっか。
いじめの方は?解決した?」
「...」
...地雷だったかな?この話題。
俯く優美が数分間じっと床だけ見てるから
慌ててテストについて話題を変えてみた...けど。
「まだ、終わってないの...」
絞られた喉から出てきた言葉は悪夢そのもので。
終わらないいじめの現状に...身震いした。