【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー





なかなか朝から恋人らしい場面だと思う。



彼氏に学校まで送ってもらって
しかもカバンまで持ってもらって。



こう何気ない事が流と出来るって...いいよねぇ...。



学校一緒じゃないけど、それはそれでアリ。





ニヤケが止まらなくて
自分の世界からなかなか抜け出せない。



我に返った時には、もう流はいなくなっていて
残されたバイクから出たガスの臭いが空気を汚した。




誰かにポイ捨てされた空き缶がコロコロと...
虚しく私の前を転がっていく。





「もう流のバカー!!
もうちょっと恋心に浸らせてよー!!!!」




私の乙女心を完全に無視された瞬間だった。




「おいバカ、朝からうるせーな。
早く行くぞ」



校門前で嘆く私の頭を軽く叩く圭。



"一応"元カノなのに、なんでこうも雑に扱われなきゃいけないのか...




やっぱ圭なんて嫌いだ...



ふんっ!!!








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