い ち る に 群 青
壱の海


海に叫ぶことも
森で泣くことも
空へ思いを明けることも


何一つ上手に出来なくて。


いつだって動けぬまま青く深い水の中へその身を沈める。星屑のような粒の気泡を眺めて、落ちゆく定めに逆らわず、



「(誰か、)」



————地上では決して言えぬ、懇願をするの。


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