トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
「篤さんって最初に会ったとき凄く近寄りがたい感じがしたんですけど、

やっと普通に話せるようになった気がします。」


「え? そうなの?」


「綺麗な顔で緊張するし、何を考えてるかわからなくて、怖いっていうか。」


どうしてそんなと思い、出会った時を振り返って自分が彼女にした酷い仕打ちを思い出した。


思い出した瞬間に冷や汗もので、むせた。


「今更だけど、最初に会ったときのことはごめん!許して。

初対面の女の子にやっていいことじゃないよね。最初のあれは、無かったことにしてほしー……」


「別に怒ってる訳じゃないんですけど、やっぱり理由を教えて欲しいのですが。」


「今となっては話したくないなぁ。」


話したくはないけれど。


その理由を説明するのは、この鬱陶しい感傷を追い払うには必要なことかもしれない。


彼女が少し不貞腐れて俺を見る。そんな油断した顔を見せるのも、緊張が溶けた証拠だと思うと尚更いとおしい。


「……って逃げる訳にもいかないよね。白状するよ。」
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