トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
その時ドアが開く音がして、
「遅くなって悪い。瑞希?」
と、兄の声が聞こえた。
兄はソファに押し倒された私と、重なる篤さんの姿を見て手に持っていた荷物を落とし、
「おい……!」
そう言うが早く、見たことも無いような険しい目付きで篤さんに飛びかかった。
「お前、何をやってる………!妹に、瑞希に何をした!」
そのまま篤さんの衿をつかみ、振り上げた拳を顔に当てようとして、その寸前で踏みとどまるように手を止めた。
この状況でも篤さんは顔色ひとつ変えず、むしろ満足そうに笑って兄を見据える。
「正解。よく我慢できました。お互い顔は商売道具だもんね?」
「遅くなって悪い。瑞希?」
と、兄の声が聞こえた。
兄はソファに押し倒された私と、重なる篤さんの姿を見て手に持っていた荷物を落とし、
「おい……!」
そう言うが早く、見たことも無いような険しい目付きで篤さんに飛びかかった。
「お前、何をやってる………!妹に、瑞希に何をした!」
そのまま篤さんの衿をつかみ、振り上げた拳を顔に当てようとして、その寸前で踏みとどまるように手を止めた。
この状況でも篤さんは顔色ひとつ変えず、むしろ満足そうに笑って兄を見据える。
「正解。よく我慢できました。お互い顔は商売道具だもんね?」