トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
画面には想定通り瑞希のSNS編集画面が表示されたので、全ての記事を非公開とした。


「これは不正アクセス禁止法が適用されるが、懲役刑になってもたいした年数にはならない。」


懲役刑という言葉に女の目が見開く。


「知らない、私は何も」


「その他には脅迫罪か。これだって刑期は似たようなものだ。

これだけのことをして、法律で罪が認められるのはたった数年。執行猶予で済んでしまうことも多い。



でも俺は、お前のことを一生忘れたりしない。」


大切なものを傷つけられる怒りと恐怖、理不尽さ。できるなら同じ苦しみを与えたいくらいだ。


強く頭を押さえつけると、女は俺を睨み付けて勝手な言い分を口にした。


「あなたも篤さんも、あんな女に騙されて可愛そうに。

妹っていっても血が繋がってないんでしょう? いやらしいよね、いつまでも二人で一緒に住んで。


篤さんとあなた、二人の男を手玉にとってあの子はさぞかしいい気分よね。


あなたの妹っていうだけで、何もできないクセにモデル気取りの仕事して。


私はああいうバカな女がのさばるのが許せないだけ。」
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