絶対、好きになれない。
「なんか楽しそうだねえ。」

才加が嬉しそうに隣でニコニコしてる。
ふたりで帰り道、手を繋いで歩く。

『あした、親睦会でクラスのみんなと海に行くらしいんだ。愛花ちゃんや他の仲良くしてくれてる女子たちもいるし、ちょっと安心してる。』

叶くんも、来るって言ってたな。

「よかったじゃん!気をつけてよね。海は誘惑たくさんなわけだし。」

『わかった!』

「警戒心だけはもっとかないとね!なにかあってからじゃ遅いから。それだけは気をつけてね。」

『そうだよね、気をつけます!』

相変わらず才加は心配してくれてる。

何度も泣いてるわたしに
手を差し伸べてくれたもんね。
あの頃を忘れることなんてできないもん。

ちゃんと常に意識はしとかなきゃ。
無防備なのは、自分の罪だもん。
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