絶対、好きになれない。
好き、高峰が好き、と
真面目に告白してきた彼の顔を思い出し
ひとりで赤面する。

「やっぱり東雲先輩が好き?」

突然の質問に胸が跳ねる。

『ど、どうして?』

「いや、なんとなく。東雲先輩といるときの高峰って、普段と違うから。」

人から見る自分がどんなものか分からなくて
普段と違うわたしがどんななのか。

いい意味?
悪い意味?

「今日帰るときも、気にしてたでしょ?」

たぶん、東雲先輩は勘違いしてる。
わたしの言いたかったのは

東雲先輩にとっての「わたし」なんて
ただのひとりだけど、

わたしにとっての「東雲先輩」は
特別なひとりだってこと。

だから、
そんなひとがわたしを必要としないなら
身を引くべきだって。
わたしには、それくらいの価値しかないから。
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