佐藤さんは厄介だけど…
何でもない、いつも通りの土曜日で、いつものように他愛もないことを話していたのに。
ふと、「ユキちゃん。」と呟くように佐藤さんが言った。私は、聞こえないフリをして流そうとした。
「ユキちゃん。」
またも、佐藤さんは言った。
今度は私を見つめて。
「…どうかしましたか。」
いつもと様子が違う佐藤さんに戸惑いながらも尋ねた。
「ユキちゃんってどう?僕はとってもいいと思うんだけど。」
「何のことですか?」
「あだ名です。」
「誰の?」
「冬雪ちゃん。」
「わ、私ですか!?」
まさか自分だとは思っていなくて、大袈裟なほどに驚いてしまった。驚きの後に、恥ずかしさが襲ってきて佐藤さんが「ははは、可愛いな。」と言ったのにも気づかなかった。
「な、なんで、そんな急に。」
「いやー、だって、もう仲良しだし。」
佐藤さんが「仲良し」だなんて…。
なんかギャップを垣間見た気がした。