さよならの時まで、笑顔で
.




家まで送ってくれたひーくんと別れ、家に入ると、玄関で私を待っていたかのように立っているお母さんがいた。




「お母さん?」



「玲香、ちょっとこってに来て座って」



私は、お母さんと対面にばるように椅子に座る。




深刻な顔をしてお母さんどうしたんだろう?




まさか、病気のことが知られた?




そんなはず、ない。





だって、私しか知らないことだし。





「病院どうだった?」





あ、なんだ....




「ううん、何ともなかったよ!
ただの風邪だろうって先生が言ってたよ!」





私が笑いながら言うと.....




バシッと、何かで叩かれたような音が鳴る。




...痛い。




お母さんに、頬を叩かれたーー。



.
< 60 / 288 >

この作品をシェア

pagetop