オオカミ社長は恋で乱れる
「悠、ダメよ」

私が叱ると西条さんは「そうだよな、ごめん」と言って悠の頭を優しく撫でた。

「もう出られるか?」

「はい、大丈夫です」

私に確認すると頷き、子供達に手招きして「じゃあ行こうか」と声をかけた。

その言葉に悠も凛もすぐに反応して並んで靴を履いて玄関から出てしまったので、私もバッグを手に取り電気を消して外へ出た。

子供達のことは西条さんが見ていてくれたようで、私は鍵をかけて彼らのそばに行った。

「じゃあ行こうか」

そう西条さんが行って歩き出すと、そばにいた凛が西条さんの左手を掴んだ。

「あ・・・」

私は驚いて思わず声を出してしまったけど、西条さんは優しい眼差しで凛を見るとその手を包むように緩く握った。

そして「悠」と声をかけて右手を差し出し、凛と同じように手を繋ぐと後ろにいる私を確認して「行こう」と言って歩き出した。

まるで親子のように手をつないでゆっくり歩く3人を見ながら不思議な気持ちになる。

西条さんのことを見上げながら歩く悠も凛もすごく嬉しそうに笑顔を見せている。

父親のいない2人には私しかいなくて、いつも寂しい思いをさせていることは常に感じてきた。

父親でない西条さんにあれほどなついてしまっていることを申し訳なく思いながら、心から感謝をしている。

そして悠と凛を交互に見ながら誘導してくれている西条さんのことを、私は歩きながら見つめてしまった。

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