オオカミ社長は恋で乱れる
西条さんが連れて来てくれたお店は入り口の看板に鉄板焼と書いてあった。

鉄板焼って和み感があるけど、店内はとんでもなく高級感が溢れている。

庶民がお好み焼きなどを食べに行く鉄板焼屋さんとは全く違う。

そのままスタッフの人に個室へと案内されたけど、そこもまた豪華なお部屋で。

中央のテーブルの前に、綺麗に磨かれてある大きな鉄板が設置されてある。

凄すぎる・・・こんなお店、私には縁のないものだったもの。

気後れしていると、「こちらへどうぞ」と言う声が聞こえて視線をやると、スタッフの人が子供用のイスを引いて凛を座らせてくれている。

優しいお兄さんに凛は上機嫌で「うん!」と返事をしている。

そして悠も続いて同じように座らせてもらうと、「ありがと!」とお礼を言っている。

そんな2人を見ていると、後ろから西条さんが声をかけてきた。

「君も座って」

そう言いながらイスを引いてくれている。

「すいません、ありがとうございます」

お礼を伝えて腰を下ろすと、タイミングよくそれに合わせてイスを押して座らせてくれた。

すごいなぁ、本当に。

自然にこういう行動がサラッとできてしまうなんて。

この豪華な店内に何の違和感もない。

そう思うと今度は自分達のことが気になり始めた。

私達・・お洒落なんてしてない普段着だけど大丈夫なのかな?大丈夫じゃなかったよね・・・。

食事へ行くと言われてファミレスへ行く感覚の気持ちで来てしまったけど、こんな立派な社長さんならそんなわけないよね。

私はバカだ・・・。

急に羞恥心が出てきて、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

西条さんに恥ずかしい思いをさせてしまった。

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