2度目の初恋も、君とがいい
「ただ俺が女に追いかけられるのがウザイのと男が苦手な千花が声掛けられないためにですよ」



淡々とあたしたちの始まりについて話す。

あまりに淡々としすぎてて、感情がこもってないように感じる。



「そうなんだ、要は千花のこと守ってくれてたんだね」


「まぁ、俺が女に追いかけられるのが嫌だった方が大きいですよ」



ははっと苦笑いをする。



「それでもありがたいよ。うちの学校に入るって千花のお母さんに聞いてから気にはなってたんだ」


「俺はもう嘘の彼氏でもないので、これからは先生が見守ってあげてください」



他人事のように感じてしまう、永人の言葉。

そりゃあ、永人のことが好きなのはあたしだし。
好きだからといって、相手の心がこちらに向くわけじやないのはわかってる。

でも、あたしに向けて先に一歩踏み込んできめのは永人なのに。
あまりに突き放しすぎではないだろうか。



「俺、今日もう帰るわ」



結局永人は一度もあたしに目を合わすこともなく、カバン持ってお店を出ていった。

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