2度目の初恋も、君とがいい
「逃げ足はえーんだよ!バカ」



永人のスマホが鳴るのが先か、声が先か。
ほぼ同時くらいだったろうか。
あたしの後ろから現れた、さっき逃れたはずの人。



「まずさお前、俺の話聞けよ」



はぁはぁっと息を切らして、あたしをドアの外に連れていく。



「え、永人?」


「ごめん、さっき」


「え……うん」



急にドアの外に連れてこれられて、中の二人が気になって仕方ない。



「完全にヤキモチ」


「え……ヤキモチ……」



どうして、永人はヤキモチをやくのだろう。



「何いってんだって感じだよな。振ったくせに」


「昨日だって、日奈子といた……」


「あれは……ほら、これ」



ポケットからなにかを取り出す。



「ん?」


「これ買ってた。誕生日おめでとう」


「あ……」



差し出されたものを受け取って、思わず声が漏れる。



「なんでかぶるかなー」



苦笑いをする永人。

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