2度目の初恋も、君とがいい
「うん、そうだね」



日奈子の返事と同時にチョコが溶けったあたしは、ふと横にいる日奈子を見上げる。



「そっ……か」



ほかの言葉が見つからなかった。

だって、日奈子がすごく寂しそうに笑ってるから。
笑顔の裏で泣いてるようだった。

日奈子は誰が好きなのだろう。

永人だろうか。
明日汰だろうか。



「でも、いつものように千花にあげるのが本命!」


「はは、もうー日奈子ったら今年は近くに男の子がいるのに」



日奈子は毎年、あたしにくれるチョコを〝本命〟だと言ってとびっきりのものを作ってくれていた。



「本命の男の子がいるなら、ね」



そう笑う日奈子はやっぱり切ない瞳をしてた。



「日奈子って……」


「ん?」


「ずっと忘れられない人でもいるの?」



正直にそう思った。
近くにいないから、あたしにいつも本命をくれるんだろうかって。



「そんなの、いないよ。いたらいいのにね」



寂しく笑うから、なんだか胸がザワついた。

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