2度目の初恋も、君とがいい
思えば千花に深い口付けをしたのは初めてだった。



「お前、経験あり?」



舌を入れた俺に普通に順応してきた千花に、そんなことを聞いてしまう。

誰かとこういうキスをしたのかもしれないと思うと自然に沸き上がる嫉妬心。

いつだって千花のことになると余裕なんかなくなる。
みっともない嫉妬もしてしまう。



「永人が初めてだって……言ったでしょ」



顔を赤くしながら言う千花に俺の理性はどこかにとんでった。



「ごめん、千花」


「え?なにが?」


「今から怖がらせてしまうかもしれない。でも、もう無理だから」



きょとんとした顔をしてる千花を立たせて、すぐ後ろにあるベッドへと座らせる。



「え、いと?」



千花の瞳は揺れている。
その瞳には俺しかいま映っていない。

それだけの事で俺は嬉しくて、俺の感情は騒ぎたてられる。



「好きだよ」



深く深く。

甘い甘い旋律を描いて、千花と俺の繋がりは一層強くなった気がした。



「2度目の初恋も千花でよかった」



何度だって、きっと君に恋をする。
何度だって、君に初恋をする。

いつだって、俺の初恋は君がいい。



-Fin-

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