2度目の初恋も、君とがいい
「日奈子……」



わかってるんだ。
日奈子はそんなことであたしから離れるような子じゃないって。
中学の入学式から今日までずっと一緒だった。



「落ち着いた?」


「うん」


「いい?教室には男の子もいるし、隣も男の子なんだからね」


「うん」



教室に向かう足取りが段々重くなっていくけど、立ち止まってるわけにはいかない。



「さっきみたくなりそうになったら、必ずあたしの所にきて」


「うん、ごめんね」


「少しずつでいいから克服していこうね」



笑顔であたしの頭をなでる。



「ありがとう、日奈子」



泣きそうになるのをグッと堪えて、日奈子とふたり教室へと向かう。



「なんかB組の前ひとたくさんいない?」



日奈子が首を傾げる。



「ほんとだ、どうしたんだろ」


「八神くんって言うんだってー」


「わぁーイケメン!」



教室の中を見てる人たちの声が聞こえてくる。



「すごいイケメンがいるみたいだね」


「うん……」


「大丈夫?」



日奈子があたしの顔をのぞき込む。

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