2度目の初恋も、君とがいい
「大丈夫。絶対その人とは話さない」



強い誓いを持って、教室の中にはいる。

仲良くならなければいいんだ。
仲良くなってしまって、もしも好きになってしまったら……。
その人と付き合いたいってなってしまう。

でも、そんなモテる人と仲良くなってしまったら……。
女の子たちにまた嫌われてしまう。

あたしは、平和に過ごしたいの。



「あたしの席、千花の前だ!」



黒板に貼ってある白い紙を見て、にっこり笑う。



「わぁ、心強い!」



男の子もいるクラスになることで、本当に怖くて仕方ないあたしにとって日奈子が近くにいてくれることほど心強いものはない。



「席、行こうか」



日奈子とふたり、窓側から数えて2列目の席に向かう。
あたしが前から3番目で、日奈子はその一つ前だ。



「あ……」



席について、ふと見た隣の席。



「あ」



窓を見ていた頭があたしの声に反応してこちらを向く。
そして、あたしと同じ言葉をつぶやく。

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