極上社長と結婚恋愛
 

緒方さんの言う通り、直哉さんは恥ずかしげもなく自然と甘い言葉を言ってくれるから困ってしまう。

顔をしかめながらも、直哉さんの大きな手の中で私の手は熱をもち汗ばんでいた。
触れた指先から、くやしいくらい動揺が伝わってしまう。

そんな熱くなった私の手を、直哉さんの長い指がゆっくりと撫でて閉じ込めるように重なった。
心臓が痛いくらい激しく胸を打つ。

じわじわと、胸の中に温かいものが溜まっていく気がした。
優しくて柔らかくて、くすぐったい、幸せな感情。


少し気持ちを落ち着けようと深呼吸をしていると、バッグの中のスマホが鳴った。

「電話だね」

気づいた直哉さんがやっと私の手を解放してくれる。

緊張と動揺でよろけながらスマホを取り出すと、以前連絡先を好感したフォトグラファーの桜木さんからだった。

『あずさちゃんのドライフラワーのブーケ、かなり評判イイよ! ウエディング雑誌のスタッフにも好感触だし、お客さんでも興味を持ってる人がいる』
「本当ですか!?」

電話口に出た途端嬉しい報告をされ、喜びのあまり飛び上がる。


 
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