極上社長と結婚恋愛
ずらりと並んだ作品を見回してから口を開いた。
「私が一番気に入っているのは、ライラックとガーデニアのブーケとヘッドドレスです」
ドライフラワーにして水分が抜けた淡い紫色のライラックと、瑞々しく肉厚な花びらを持つ生花のガーデニアでは質感が違う。
わずかな風で小さく揺れるライラックの花弁と、その中に咲き誇る純白の八重咲のガーデニア。
淡いコントラストが清楚で可憐な印象のブーケに仕上げることができたと思う。
「うん。私もこれが一番好きだなと思う」
私の答えに満足げに桜木さんも笑ってくれた。
「このまま台に置いて撮影するのもいいけど、せっかくならイメージが伝わるように実際にヘッドドレスを髪につけて撮影したいんだけど」
「そうですね。ブーケはともかくヘッドドレスは実際につけてみないと分かりづらいですよね。でもモデルさんに頼むわけにもいかないし……」
口元に手をやり首をかしげると、「モデルさんならいるじゃない」と言い返されて瞬きをする。
「どこにですか?」
そう言った瞬間、桜木さんの人差し指がこちらに向けられる。
「え?」
「あずさちゃん、着てくれるよね?」
反論を許さない満面の笑みに、私は目を瞬かせた。