極上社長と結婚恋愛
 

「ただいま」

リビングのダイニングテーブルでアイデアをスケッチブックにまとめていると、直哉さんが帰ってきた。
いつもは鍵の開く音が聞こえるのに、集中していて気づかなかった。

「おかえりなさい。お疲れ様です」

慌てて椅子から立ち上がろうとした私を制して、柔らかく笑う。

「あずさちゃんこそお疲れ様。打ち合わせ、どうだった?」
「はい。新郎新婦のおふたりの意見を色々聞けて、すごく勉強になりました。満足してもらえるように、頑張らなきゃって思いました」

胸の前でぎゅっとこぶしを握ると、大きな手が頭に触れた。

「張り切るのもいいけど、頑張りすぎないようにね」
「……はい」

温かな手で髪をなでられ、胸がドキドキしてしまう。

「直哉さんも、最近すごく忙しそうですよね」

時計を見ればもう日付が変わりそうだ。このところ、いつも帰りが遅い。
心配そうな顔をしてしまった私に、直哉さんはネクタイを緩めながら微笑む。


 
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