極上社長と結婚恋愛
 

「オープニングイベントなんですね」

前にここのお庭に来たときはまだオープン前だと言っていたけれど、今日オープンするんだ。

それならこの格好で入っても迷惑にならないのかな、と少しほっとしながらお義父さんにエスコートされ足を進める。

回転ドアをくぐった先にあった空間に、私は思わず息をのんだ。

広い空間に四本の白い柱が並び立つ、まるでヨーロッパの宮殿や礼拝堂のような荘厳なロビー。上を見上げれば、ドームのように丸みを帯びた高い天井。

お庭も綺麗だったけど、ホテル自体もすごく素敵。
そう思っていると、隣にいたお義父さんが腕時計を見て言った。

「そろそろはじまるよ」
「え……?」

始まるって、なにがだろう。

言われてみれば、ロビーにいるひとたちはなにかを待っているようにそわそわと時計を見たり天井を見上げたりしていた。

その時、ゆっくりとロビーの照明が絞られあたりが暗くなっていった。

驚いて目を瞬かせると、どこからか小さな水滴が落ちてきて緑を揺らす微かな音がした。



 
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