極上社長と結婚恋愛
「あずさちゃんを幸せにするって約束をして、きちんと両親の許可はもらってきた。だから、もう我慢しなくてもいい?」
涙目で息をのんだ私の耳元で、直哉さんがねだるように問う。
「いい、です」
緊張のあまり少しつっかえながらうなずくと、「無理してない?」ともう一度確認された。
優しい視線から、私を気遣ってくれてるのが伝わってくる。
男の人に触れられるのが苦手な私。はじめてキスをされそうになっておどろきすぎて彼氏を怒らせてしまったこと。
二十七歳にもなって幼稚でめんどくさい私に、あきれることなく優しく接してくれる。
直哉さんの愛情を感じて、胸が温かくなった。
「な、慣れてないので失礼な反応をしてしまうかもしれないですけど、直哉さんになら、なにをされても嬉しいですから」
勇気を出して言うと、直哉さんは困った顔をしてうつむいた。
その様子になにか変なことを言ってしまったかな、と不安になって戸惑っていると、うつむいた肩がかすかに揺れていた。