極上社長と結婚恋愛
「緒方さんは……」
「俺は仕事を片付けたくてちょっと会社に出てたけど、このままお前らを見てたら胸やけしそうだからもう帰る」
「胸やけですか」
緒方さんの言葉は、説明不足でよく意味が分からない。
首をかしげる私に、南さんが緒方さんの靴の上からヒールを引き抜きながら、微笑んだ。
「では私たちはこれで失礼いたします。社長は十階でお待ちですので」
「はい、ありがとうございました」
優雅なお辞儀に私も慌てて頭を下げた。
エレベーターに乗り十階の役員フロアに着くと、直哉さんが出迎えてくれた。
「わざわざ寄ってもらってごめんね」
そう謝られ、かぶりをふる。
「お店のすぐそばだし大丈夫ですよ。ガーデニア、元気ないんですよね?」
私がたずねると、直哉さんは社長室へと歩きながら苦笑した。
「ごめん。それ嘘なんだ」
「嘘ですか?」
「あずさちゃんに、見せたくて」
なにをだろうときょとんとしていると、社長室のドアが開かれた。