極上社長と結婚恋愛
金曜の夜。
明日はふたりとも仕事が休みで、のんびりとベッドの中で他愛もない話をしていた。
腕枕をしながらはじめて花屋の前を通ったときのことを思い出して話すと、まどろんだ表情だったあずさちゃんが驚いたようにぱちぱちと目を瞬かせた。
腕枕から頭を上げ、こちらを見上げて首をかしげる。
「え? じゃあ、直哉さんは最初から私のことを知ってたんですか?」
「知ってるって言っても、親父にお店の場所を聞いて遠くから眺めただけだけどね」
「でも、社長室にガーデニアを届けた時にはもう、私が妹になるって知ってたんですよね?」
その問いかけに微笑みで肯定すると、白い頬が不満そうに膨らんだ。
「兄妹になるって知ってたんなら、最初に言ってくれればよかったのに。私だけなにも知らなかったなんて、ちょっと悔しいです」
あの時、気分転換に社長室になにか緑でも置こうかなという思い付きに、少しも下心がなかったといえば嘘になると思う。