極上社長と結婚恋愛
 

「お義父さんも、これどうぞ」

そう言って、ミモザと白バラで作ったブートニアをお義父さんの胸元に飾る。

「ありがとう、あずさちゃん」

お礼を言われてかぶりをふると、そこに直哉さんが入ってきた。
いつもよりドレッシーなチャコールグレーのスーツに、片方の耳を出すようにセットされた髪型が色っぽい。

「わ、直哉さん素敵ですね」

思わずそうこぼすと、「ありがとう」と微笑む。
その直哉さんの笑顔に見惚れそうになってしまう。

「あずさちゃんは、その服で写真撮るの?」

ぼんやりしている私に直哉さんが首を傾げた。

「写真……」

その言葉に、はっとして自分の体を見下ろす。

ベージュのニットに黒い細身のパンツ。
そしてダークグリーンの厚手のエプロン。

今日はお店はお休みだけど、ブーケを作るために花に触るからと、いつも働いているときと同じような格好をしている私。

ブーケのことで頭がいっぱいで、服のことなんて気にしてなかった。


 
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