極上社長と結婚恋愛
 

「あ、息子さんと娘さんですか?」

化粧っ気のない顔に、個性的な赤い縁の眼鏡をかけた三十代くらいの女性。明るくはつらつとした雰囲気の彼女にそう聞かれ、うなずいた。

「本日撮影させてもらってます、桜木です」

腰回りに付けたバックのたくさんあるポケットのひとつから、名刺を探し出しこちらに差し出す。

フォトグラファー 桜木英子と書いてある名刺を受け取り「よろしくお願いします」と頭を下げる。

「新婦の晴美さんから聞いたんですけど、あのブーケとヘッドドレスは娘さんが?」
「あ、はい。そうです」
「造花やプリザーブドフラワーならよく見るけど、ドライフラワーと生花を組み合わせるブーケって新鮮だね」

その言葉に、嬉しくなって頭を下げる。

「ありがとうございます。母と相談して、なるべく自然な風合いのナチュラルなブーケにしたいって希望だったので」
「ウエディングブーケはよく作ってるの?」
「いえ。勉強はしてたんですけど、きちんと作るのは今回がはじめてです」

私が答えると「へぇ」と桜木さんが目を丸くした。

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