ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
本日、しょうこちゃんから珍しい指令がでた。

「官能的でエッロイ感じのヤツ、油絵で二作品、急ぎで仕上げてくんないかなー」


わたしに描かせたい画はこれまでが殆ど、
“優李、今から私の出す音のイメージを描いてみて”
みたいな感じで、しょうこちゃんが上手くコントロールした発信音で進めてきていたから。

こんな風に自分を切り離した、テーマだけを伝えてくる依頼は初めてだった。

「創意工夫しながら神山くんから引き出してみな?」

彼への丸投げ感否めないその依頼はつまり、しょうこちゃんの思惑が詰め込まれている期待値の表れだ。

“さりげなーく油絵の納期のこと話したら、神山くんのフリー残業、事務所オッケーだって言うから、時間の融通は通してあるよ”


さりげなーく、に事務所への圧力をひしひし感じるけれど、それはわたしへのアシストだと理解しているから、むしろしょうこちゃん大感謝だ。

とすれば、“創意工夫で引き出す”のがわたしの新たな課題なのだと、今回は時間も場所も思い切って変えてみたんだけれど。


「まけぃた、はい!今日は歌ってみよっか!」

「……今度はカラオケかよ」

うーん。思ったより反応が薄い。

これでも一生懸命考えたシチュエーションなんだから、夜に戸惑う!とか密室狭めの2人の空間に困る!とか、もう少しくらいリアクションしてくれてもいいのになぁー。

無駄にハイスペックなだけあってシチュ慣れしているのか。

ハタマタ、単にわたしへの順応力が高くなってきてるのか。(その辺も無駄にハイスペック)

とりあえずほろ酔い程度に酔わせて、セクシー系の曲バンバン入れて様子を見てみようか。
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