ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
はぁー、と気怠げに溜息を吐くその音にゾクっとする。
立て続けのビールの飲み干し音と息の間合いに発狂してしまいそうになる。
「やーん♡♡やっぱいい飲み干し音♡♡ほら、もう頼んでるから!!まけぃたもう一杯いこう!!」
実はしょうこちゃんに昔、アトリエのサウンド改造を本気でお願いしたことがあったんだけど、「毎日そのテンションウザいから無理!耳を甘やかすな!」と却下された経験がある。
耳を澄まさずともサウンドがよく響くカラオケルームでは、日頃聞き逃しそうな小さな音まで拾えてしまうから、テンションが異常に上がってしまう。
変態女とか吐き捨てそうな目で見られているけれど致し方ないじゃない♡
更にもう一杯あおってくれる彼の期待?に応えるべく、今の音に合う画材をわたしの4次元バッグ(ただのバカでかいバッグ)からいそいそと取り出し描きだしていく。
本当は油絵の具も持ち出したかったけど、あれは匂いも後片付けもちょっと大変だからなぁ。
今の色の情報量を出来るだけこの場で完全に収めたいのに、制約される空間にヤキモキする。
創意工夫がまだまだね、としょうこちゃんに言われそうだ。
でも、せっかくの初課題を失敗させるわけにはいかない。
今は色のイメージをメモして、カラオケが終わったらソッコーアトリエのキャンバスで答え合わせしよう!
「まけぃた」
「なんだよ」
あ。色が、変わった。
「ふ、なに?今の“なんだよ”。何かかわいいし」
もぅやめてよまけぃたくーん。そんな声出されたら、いつになってもカラオケ始められないじゃーん。
また目新しい色の情報に、これはエロじゃないけど勿体無い!と手が勝手に追いかける。
困るけど嬉しいなんて、本当に彼の声は未知数だ。
けれど
「泣かすぞ」
グイッ!と、視界が急に、スケッチブックから彼の顔に移る。
え?あれ?スケッチブックは?
色に集中し過ぎていて、目の前のスケッチブックがなぜ不機嫌なまけぃたと入れ替わったのかまで気が回らない。
が、彼も彼でなぜか戸惑う表情にじわじわシフトチェンジしてゆき、ついおかしくなって茶化してしまう。
「やだぁ、“泣かすぞ”だって。“泣かすぞ”。ふふふ、まけぃた超かわいいー♡」
次の瞬間、まさかわたしのスイッチを入れられるとも知らずに。
立て続けのビールの飲み干し音と息の間合いに発狂してしまいそうになる。
「やーん♡♡やっぱいい飲み干し音♡♡ほら、もう頼んでるから!!まけぃたもう一杯いこう!!」
実はしょうこちゃんに昔、アトリエのサウンド改造を本気でお願いしたことがあったんだけど、「毎日そのテンションウザいから無理!耳を甘やかすな!」と却下された経験がある。
耳を澄まさずともサウンドがよく響くカラオケルームでは、日頃聞き逃しそうな小さな音まで拾えてしまうから、テンションが異常に上がってしまう。
変態女とか吐き捨てそうな目で見られているけれど致し方ないじゃない♡
更にもう一杯あおってくれる彼の期待?に応えるべく、今の音に合う画材をわたしの4次元バッグ(ただのバカでかいバッグ)からいそいそと取り出し描きだしていく。
本当は油絵の具も持ち出したかったけど、あれは匂いも後片付けもちょっと大変だからなぁ。
今の色の情報量を出来るだけこの場で完全に収めたいのに、制約される空間にヤキモキする。
創意工夫がまだまだね、としょうこちゃんに言われそうだ。
でも、せっかくの初課題を失敗させるわけにはいかない。
今は色のイメージをメモして、カラオケが終わったらソッコーアトリエのキャンバスで答え合わせしよう!
「まけぃた」
「なんだよ」
あ。色が、変わった。
「ふ、なに?今の“なんだよ”。何かかわいいし」
もぅやめてよまけぃたくーん。そんな声出されたら、いつになってもカラオケ始められないじゃーん。
また目新しい色の情報に、これはエロじゃないけど勿体無い!と手が勝手に追いかける。
困るけど嬉しいなんて、本当に彼の声は未知数だ。
けれど
「泣かすぞ」
グイッ!と、視界が急に、スケッチブックから彼の顔に移る。
え?あれ?スケッチブックは?
色に集中し過ぎていて、目の前のスケッチブックがなぜ不機嫌なまけぃたと入れ替わったのかまで気が回らない。
が、彼も彼でなぜか戸惑う表情にじわじわシフトチェンジしてゆき、ついおかしくなって茶化してしまう。
「やだぁ、“泣かすぞ”だって。“泣かすぞ”。ふふふ、まけぃた超かわいいー♡」
次の瞬間、まさかわたしのスイッチを入れられるとも知らずに。