ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
「神山くん、これ、この間の油絵のお礼。“好きな子”でも誘って行ってみたら?」

数日前、オーナーから“ここのハロウィンイルミネーションがヤバい!”と巷で話題の、テーマパークのチケットを譲られた。

油絵のお礼って、よくもまぁそんな堂々と。
(あんな悪どく騙し討ちみたいなやり方が、もう正規ルートで手伝ったみたいになってるし。)

しかも、好きな子でもって……。

まぁ確かに、その辺の女誘って行くと、こうゆうイベントモノじゃ後が面倒そうだし。

いっそ誰かにやってもいいけど、そしたら俺、絶対ヘタレ扱いだよな。

……超過労働での別手当と捉えるか?

いや、それも危険だ。オーナーからの頂きモノだという時点でイワクがあり過ぎる。

そもそも、誘う相手が一択の時点で、これも前回同様の別企画の手伝いだと考えるのが無難だろう。

ーーという前振り長めの流れを踏まえて、今日はここに来ている。

「わー!流石ハロウィン!イルミネーションが独特だねー!」

これは一般的なデートではない。

「アッチに着色料が毒々しいデコ盛りの綿菓子売ってるって!行こー!」

だから、無邪気に喜ぶコイツも、馴れ馴れしく腕を引っ張ってくるコイツも、どんだけ可愛くみえたとしても喜ぶな俺。

「彗大、どしたの?」

だいたい、こいつがまともに俺の名前を呼ぶ時は、声目当てだと相場が決まっている。

「いや?すげーはしゃいでるなと思って見てただけ」
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