こっち向いて、泣いてよ。
波山サイド
――――――――――――――――――



「……チッ」




朝っぱらから彼女と喧嘩して、機嫌が悪い俺は、前からくる女が気になった。



(なんでこいつ逆方向歩いてんだ……?)





……そうだ。いいこと思いついた。





少しからかってやろうとして話しかけたら、眩しいっ!って叫んだり、俺を見てイケメン……って思ってる感じがひしひしと伝わってきて、馬鹿なんだこいつ。と一瞬にしてわかった。






(ちょっと面白いかもしんねぇ。)




からかい半分にこいつと朝、登校することにした。



―――――――――



(……なんも喋んねぇじゃんこいつ。やっぱつまんねぇかな……少しからかってみるか……)








入学式があと五分と伝えるとこいつは顔が青ざめていって急ぎ出した。


(時間なんて変わってねぇよ……。)




間に合わないかもと煽ったら、俺に道を聞いて走り去ってしまった。









(…人の話素直に聞き入れすぎだろ……詐欺にあうタイプだな、あいつ。)







イラついてた自分が少し馬鹿らしく思えるくらいに素直なあの新入生が、俺は無性に気になった。
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