歪な光
人生で、一番辛くて死んでしまいたかった時に、あなたは、私を救ってくれたんだ。





「真白、もう…」






もういいって、言おうとした瞬の言葉を遮るように、埋めた顔を横に振った。






「飛び出して、来た車にひかれちゃえばいいって思った…」






私は涙を拭いて、瞬の目をしっかり見つめた。
瞬も驚愕した顔で見つめ返してくれた。





「そんな私に、僕と生きようって言ってくれた…。瞬ちゃんの存在が私の今生きる意味なの」






瞬は切なげに顔を歪ませた。





「私は、瞬ちゃんが本気で好きだよ。ずっと、側で生きていたい…高校生で、恋愛に見られないかもしれないけど、でも…」






そう言葉を続けようとした私に、瞬はさっきとは違う、熱のこもった腕で抱きしめた。





今度は、私が何が起こったか分からず、驚愕して固まってしまった。





強く抱きしめてくれているのに、腕は震えている。






どんな顔で私を抱きしめてくれているのかな?





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