歪な光

「その後に、母親が仕事から帰ってきたの。もちろん、お酒も飲んでない…」






そう、お酒も飲んでないのに…






母親を嫌っていても、やっぱり私は傷ついてしまったんだ。





泣きたくないのに、目頭には涙が溜まる。泣いたら負けなきがするから、必死で堪える。








だって、母の対応、本当は自分でも分かりきっているはずだったのに…






「お前は、私の男まで誘惑するのかって…この欠陥品が、でてけって…」






堪えきれず、私は涙を流した。
私はあの時、助けて欲しかった…
ただ、私の味方になってくれることを信じていたんだ。





溢れる涙のせいで、心まで痛く沁みてくる。






「私は、母に助けて欲しかっただけだったの…いつも、お酒のせいで私を罵ったり殴ったりするだけだと思っていた…でも、違ったの。私はお母さんにとって、ただの欠陥品だったの」





私はもう、自分の足で立つことが出来なくて、瞬にすがりつくように顔を埋める。





瞬は、私の心を支えるように、抱きとめてくれた。





お母さんに信じてもらいたかった…






これが、私の本音なんだ。