歪な光
そのころ、瞬は取り調べを受けていた。





瞬は本当の事を話さない。





だんまりだったのを見かねて、宮城が面会で瞬と話すことにした。







「おい、森岡。無言はお前を罪人にする」







「宮城さん…すみません。ご迷惑かけてしまって」






瞬は宮城の顔を見て少し安堵の表情になった。しかし、その表情は全てを諦めているようだった。





「でも、僕は罪人です。警察官としてではなく、男として真白を救いたいと思ってしまった。家出した彼女を自分の家に親御さんの了承なしに、奪ったんです」






自分の罪を認める発言に、宮城は苛立ちを隠せない。







「それだけじゃないだろ?虐待を受けている真白を俺たちは法のもとじゃ何もしてやれなくて、手を差し伸べたんだろ?」






必死の宮城の問いかけに、瞬は俯く。





「それでも、僕のしたことは法律では許されない」






正しい助け方はなんでしょうか?





誰かが犠牲にならなければ、助けられない世の中って、なんでしょうか?





< 141 / 165 >

この作品をシェア

pagetop