歪な光
「初めは助けたい、ただそれだけでした。警察官とは言え、目に見える人すら守れない自分のエゴ。でも、僕は真白だったから手を差し伸べたのかもしれません。初めて見た時から、放っておけなかった…」







瞬の脳裏に、走馬灯のように初めて会った時のこと、




たまたま援交の場所で助けてくれたこと、突然、瞬の運転する車の前に飛び出してきたこと、二人で幸せな時間を過ごしたこと。






いろいろな二人の景色を脳裏に映し出す。






「僕は、真白を愛してしまった。未成年と知りながら…弁解の余地はないですよね。どんな理由があろうと、警察官が高校生に本気で好きになることは、罪だとわかっていたのに…」








自嘲する瞬を、いたたまれない表情で宮城は俯いた。






法律の元では、瞬は間違いなく有罪なのだ。






虐待から助けるという口実としか、世間では受け入れてもらえない。







未成年と純愛なんて、それも警察官がなんて、誰も認めてはくれない。



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