歪な光
「宮城さん、真白を助けてあげてください。僕はもう出て行けれないけど、あの家は異常だ。下手したら殺されかねない」







瞬の言葉に、宮城も厳しい表情を見せた。
宮城も、私の今を心配していた。






夜、徘徊することもなくなり、私は姿を消している。







全てを諦めているような瞬は、ただ、家に返された私を心配してくれていた。





酷く残った傷跡を間近で見ていた瞬は、虐待の酷さを知っている。





「難しいが、頑張って見るよ」






こうして、面会の時間は終わり、再び留置所で瞬は独り俯いた。






「真白…」





瞬は、無力になってしまった自分を悔やむ。






誰よりも、私を助けようと頑張ってくれた人。





そんな人が今は捕まっているなんて、絶対あってはいけないんだ。





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